【裏話】新作『天使には十字架を 悪魔には薔薇の花束を』についての制作秘話(ネタバレ注意)
- 2021.01.03
- 作品について

どうも、さかいです。^^
今回は年始にリリースしました『懲役警察 B Side Diary』合本版3巻の巻末に先行収録した『天使には十字架を 悪魔には薔薇の花束を』について少し秘話なんかを語っていこうかと思います。
本ブログを見に来てくださった方だけ特別ですよ! なんて(笑)
多分、このブログを見に来てくださってる方は、もう既に本作を読んでいただいているものだと思っておりますので、まだ読んでない方はネタバレ注意でお願いします。(笑)
さて、本作ですが、これまでのシリーズと比較して、かなり異色というか悲しいお話になっているので、もしかすると驚いてしまった方もいらっしゃったかも知れません。^^;
どちらかといえば全体的にコメディ色が強いシリーズになっているのですが、やはり題材が警察や国際犯罪ということになっておりますので、どうしても“死”の概念は避けられないというか入れておきたい。
コメディとシリアスを使い分けてこそ、いいアクセントになるし、それが作品としての持ち味になると信じておりますので。(笑)
なので、今回の『天使には十字架を 悪魔には薔薇の花束を』のような展開は今後も積極的に取り入れていきたいと思ってます。^^;
さてさて、本作の構想というか世界観を思いついたのは、実は結構、以前からでして、まず最初にタイトルだけが何故か頭に先に浮かんできて、そのイメージを徐々に膨らませていったという感じです。
殺し屋VS殺し屋といった構図は、古くは映画『007』を始め、漫画『ゴルゴ13』や『シティーハンター』、『ルパン三世』、『ブラックラグーン』等といった過去、名だたる名作においても脈々と使われてきた手法です。
同作もその流れを踏襲した形になります。(ちなみに過去のシリーズにも何度かあります。w)

ただひとつ違うというか、こだわろうと思った点は、主人公的な立ち位置である香澄を悪役にしたことでしょうか。
逆にライバルとして登場する殺し屋、アーサー・ビンセントの側を読者が応援したくなるよう仕向けました。あえて。
この辺りは割と早い段階から決めてありました。
過去、孤独だった殺し屋としての自分と、今の守るべき仲間たちに囲まれた警官としての自分との狭間で揺れ動き、悩み苦しむというのが、この霧崎香澄というキャラクターの持ち味のひとつでもあるので、その設定がここにきて活きてくると踏んだわけです。

とはいうものの、あのキャラクターを香澄がガチで○○してしまっていたのだとしたら、これはこれで後味が悪い。(いかに非情な殺し屋だったとしてもね)
かといってミスって○○してしまうという展開も香澄らしくない。(仮にも百発百中の腕前だしね^^;)
さて、これはどうしたものかと、本気で2日くらい悩みました。
で、考えに考え抜いた末の結論が、あの結果。
そうだ、読者の想像に委ねようと。(笑)(何、この京都に行こうみたいなノリw)
これは、かなりの挑戦でしたね。^^;
真実を明言することなく、読み手の捉え方に依存するわけですから。
いや、勘違いして欲しくないのは、決して投げ出したわけではないです。(笑)
これはこれで歴とした手法。
であるのと同時に小説の醍醐味、仕掛けとでも言っておきましょうか。w
もしかすると、香澄はガチで○○したのかも知れないし、手元が狂って○○してしまったのかも知れない。
加えて、本当に香澄が○○してしまったという表現や証拠は本作では一切、描かれることはないため相手は赤の他人、もしかすると単にビンセントの勘違いだったという線も残されているわけです。
仮にそうだったとしたら?
香澄は何故、否定しなかったのか。
皆さんはどう思われましたでしょうか。w
あのラストに込められたメッセージを汲み取っていただけたら作者冥利に尽きます。^^
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