【銃マメ】発射された弾丸にも指紋がある? ~旋条痕と撃針痕から発射した銃は特定できる~

  • 2021.01.17
【銃マメ】発射された弾丸にも指紋がある? ~旋条痕と撃針痕から発射した銃は特定できる~

どうも、さかいです。^^

皆さんは指紋と聞いて何を想像しますか?

銃にも指紋があることを、ご存知でしょうか?

とはいっても、勿論、我々人間みたいなという意味ではありません。(笑)

それは、ときに殺人事件等の警察の捜査なんかにおいて、重大な証拠や手がかりに結びついていきます。

ちなみに、わたしの小説の中では遺体に残された銃創を一目、見ただけで犯行に使われた弾や銃の種類、その型式まで言い当ててしまうというスーパー捜査官(笑)が登場したりしますが、勿論、現実において、そんな鑑定の仕方は不可能です。w

実際は、もっと時間をかけ、地道かつ緻密な鑑定が行われます。

それでも必ずしも期待通りの成果が出るかといったら、そうではありません。^^;

まず、銃が使われた犯罪現場に、もし空薬莢が落ちていれば、法執行機関の鑑識は必ず、それをラボに持ち帰ります。

薬莢の底に埋め込まれている点火装置(雷管※プライマー)には必ず撃針が残っていますから、それをスキャンしてコンピュータに取り込み、比較照合ができれば銃を特定できる可能性が高まります。

同時に、犯人が弾倉に弾を込めたときに付いたかも知れない指紋を採取できるケースもあります。

でも、たとえば遺体から摘出された弾丸には、指の指紋はまず付いていません。

それに体内に残っている弾丸は大抵、ひしゃげて潰れてしまっており、多くは原型を留めていません。

それでも、ひしゃげ方がさほど酷くなく、特に弾丸の下部が損傷していなかったら、その部分に弾丸の指紋ともいえる『旋条痕(ライフリング・マーク)』が残っていることがあります。

彫り込まれたように斜めの縦線が付いているのです。

これは、発射された弾丸が銃身内を通るとき、そこに掘られている旋条という溝に食い込んで回転しながら進んでいった痕です。

※関係ないけど、この画像を見て007のオープニングを思い出すのは筆者だけでしょうか。(笑)

旋条痕は銃の種類ごとに微妙な特徴を有しているため、その特徴と合致する痕が過去に記録として残されていれば、指紋で人物が特定されるのと同じ要領で銃も特定されます。

無論、銃が特定されても、すぐさま犯人がわかるわけではありませんが。^^;

ただ、アメリカのATF(アルコール・タバコ・火器取締局)にはIBIS(アイビス Integrated Ballistic Identification System)というデータベースがあり、全国の法執行機関からアクセスできるようになっています。

IBISには“ツールマーク”と呼ばれる旋条痕や撃針痕などの収集されて画像保存してあります。

摘出された弾丸や犯罪現場にあった薬莢をスキャンし、比較顕微鏡がインストールされているデータベースにかければ、過去に犯罪で使われた銃かどうか全国規模で瞬時にわかるのです。

さてさて、いかがでしたでしょうか?^^

案外、アナログなんだなと思われた方も多いのではないでしょうか。(笑)

とはいえ、捜査のテクノロジーも日々、進化してます。

いずれは更に高度な技術や装置なんかが開発されて、画像を取り込むだけで、その場で撃った犯人を特定できる。

そんな未来も、やってくるのかも知れません。w

※参考文献『銃のギモン100』