世界のスパイ連合? 諜報組織『ファイブ・アイズ』の恐るべき全容とは?
- 2022.11.27
- 事実は小説よりも奇なり

どうも、さかいです!
皆さんは、ファイブ・アイズという名前をご存知ですか?
なんとも中二心をくすぐるワードですよね。笑
漫画の中に登場する秘密組織?
なにかのボスキャラ?
惜しいけど全然、違います。w
所謂、NATO(北大西洋条約機構)やQuad(日米豪印戦略対話)の諜報版。
西側諸国のスパイ連合みたいに思っていただいていいかも知れません。
今回はそのファイブ・アイズ(UKUSA協定)について、ご紹介していきたいと思います。^^
概要

UKUSA協定(United Kingdom‐United States of America)に基づいた機密情報共有の枠組みの呼称。
締結国が英国、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国であることから「ファイブアイズ」と呼ばれ、通信傍受網で得た情報を分析・共有し安全保障に生かしている。
1946年に米英が同協定のもととなる機密情報共有協定を締結し、50年代までにカナダ、オーストラリア、ニュージーランドが加盟した。
米国を中心に「エシュロン」と呼ばれる通信傍受網で電話やメールなどの情報を収集、分析しているとされる。
参加国の情報機関は相互に傍受施設を共同活用する。長らく公式に存在を認めていなかったが、2010年の関連文書の公開で活動の一端が明らかになった。
日本は5カ国と安全保障面で協力を進めている。
米国は日米安全保障条約に基づく同盟関係に基づいて連携する。
英豪などとの関係は「準同盟国」とも呼ばれ、情報保護協定や物品役務相互提供協定(ACSA)などを結んでいる。
2020年、影響力を強めている中国に対抗するため、トニー・ブレア元英首相の発言などにより、英国から日本に機密情報の共有拡大を働きかける動きが生まれ、これに対して河野太郎防衛相も意欲を示し、日本もファイブアイズに加盟または連携すべきという論調が報道を賑わせた。
歴史
UKUSA協定(ファイブアイズ)は如何にして確立、誕生していったのか?
その経緯を紐解いていくと世界の諜報活動の歴史を垣間見ることが出来ます。
それについて年代別に追っていきたいと思います。
1940年

第二次世界大戦中、アメリカ陸軍・アメリカ海軍それぞれの暗号部(のち1952年に「軍保安局」ことAFSAを経てNSA)とイギリスの政府暗号学校(GC&CS、現在の政府通信本部)は、共同でドイツの暗号機エニグマを解読した。
同年、駐米イギリス大使のフィリップ・ヘンリー・カー(11代ロジアン侯爵)は国務省を通じてアメリカ旧陸軍省に対して、短波ラジオ(航空機レーダー探知機)などの機密技術情報の提供を依頼した。
大統領や陸軍・海軍長官はこの依頼を閣議で了承。
旧陸軍省の戦争計画部が暗号部に協力を命じた。
1943年
アメリカ旧陸軍省とイギリスのGC&CSが「特殊な諜報に関する協定」を。
アメリカ陸軍とGC&CSが「信号諜報に関する協定」をそれぞれ締結した。
1946年
米英両国間の協力関係は戦後も続き、ソ連との冷戦に備えて協定を結んだ。
1956年

スエズ動乱で米英両国は対立。
しかし、その協力関係は途絶えずにカナダやオーストラリア、ニュージーランドなどのアングロサクソン諸国を加えて、世界中に通信傍受施設のネットワークを張り巡らせた。
NSAは北極圏からリビアの砂漠まで2000箇所に6000人を配置し、日本にも上瀬谷通信施設や三沢暗号業務センターを設けた。
この時代の通信傍受施設では三角測量を行なって、ソ連の艦船や潜水艦の位置、戦略ミサイルや防空ミサイルの配置を割り出していたと言う。
またNSAは戦時中から1970年代までウエスタンユニオンなどの三大電報会社が海外に送信する全ての電信を毎日提出させて、外交公電や暗号電報を探し出し、解読していたと言う。
鹵獲したドイツのゲハイムシュライバー暗号機によって、1945年の国連設立から数年はソ連の最高レベルのものを含め世界30ヶ国以上の暗号を解読することが出来たため、国連本部ビルをニューヨークに置かせたという説もある。
1970年代~1980年代

「国際シギント規則」が整備され、協定グループ間で用語や用紙の規格の共通化が行われた。
またコンピュータネットワークが整備されて、単一の「プラットフォーム」が作られた。
これは協定各国の52個のコンピュータシステムをメリーランド州フォート・ジョージ・G・ミード(英語版)にあるNSAのホストコンピューターに接続してネットワーク化したものである。(世界初のインターネット???)
使用するソフトウェアは共通であり、エシュロンと呼ばれることもある。
各国の傍受局はエシュロンと繋がっており、データをネットワーク上で共有化することで各国の傍受施設を共同利用・相互利用でき、あたかも1つの巨大な傍受網のようになっている。
イギリスのGCHQが傍受した情報は北アメリカのNSAやCSECなどが回覧でき、1982年のフォークランド紛争ではアルゼンチン軍の暗号の殆どをNSAが解読してイギリスに教えた。
シギント衛星の共同利用も行なわれており、資金難で独自衛星を断念したイギリスは、NSAの偵察衛星「マグナム」(Magnum)に分担金を支払って相乗りした。
この仕組みはファックスや商業通信衛星「インテルサット」が普及した1980年代に入ると効果を増した。
以前は封書で運ばれていた私信や外国で発信された企業の契約・業務交渉、外国の軍事外交文書が衛星の傍受で手に入るようになったのである。
地球を取り囲むように配置されたインテルサットに向けて、各国は「ミラーサイト」を作って、90フィート (27 m)のパラボラアンテナ群を向けた。
例えば日本の三沢暗号業務センターでは、合衆国空軍第301情報編隊がインテルサット8や中国の国内衛星を傍受していると言う。
NSAの場合、傍受した情報はその場で分析したり、リモコン傍受基地からエシュロンで本部やハワイ・オアフ島のキャンプ・クニアにあるクニア地域シギント工作センター (RSOCs) などに送って共有化することで、各国は世界中で傍受した様々な情報や報告書を入手できるようになった。
1990年代~2000年代

冷戦が終わると、国家間の戦争より麻薬やテロ、密入国、ロシアの犯罪組織などが問題になった。
2000年頃には武器拡散を防ぐために、GCHQが傍受したイランと中国の対艦ミサイルの取引を妨害するNSAの作戦が行なわれたと言う。
一方でUKUSA協定グループ以外の国々は同盟国・敵対国ともに盗聴されて、情報はデータベースに半永久的に保管されるので、個人のプライバシーの侵害や産業スパイを心配した。
欧州議会はNSAがエシュロンを使って、エアバスの技術を盗むのではないかと疑い調査した。
1995年にジュネーブで行われた日米自動車交渉では、NSAが自動車会社の幹部の電話を盗聴したと言う。
協定各国のどこかで作られた曖昧な情報によって、知らない間にブラックリストにのせられて拘禁された外国人が何人もいて、政府の監視技術の広域化による個人の権利侵害の危険性を心配する意見もあった。
無敵かと思われたUKUSA協定グループだったが、2001年のアメリカ同時多発テロ事件を防止することは出来なかった(ただし911テロ事件の犯行計画を事前にアメリカ政府が察知していたが何らかの理由により公表しなかった、又はそもそも当テロ事件がアメリカ政府による自作自演だったという可能性を疑う主張は多方面から根強く存在している)。
現代

2000年代は従来の衛星通信やマイクロ波通信の他に、インターネットやデジタル携帯電話が普及し、光ファイバーや光波長多重通信 (WDM) を用いた海底ケーブルの利用や暗号化が進み、盗聴の難易度が上がった。
しかし世界のインターネットエクスチェンジ (IXP)やトランジット・トラフィック、盗聴や逆探知の鍵となるルーターの技術や莫大な数の個人情報を持つ有力なネットサービスを握っているのは協定各国であり、その気になれば幾らでも通信傍受は可能である。
ウォーターゲート事件を受けて制定された外国情報活動監視法 (FISA) による国内盗聴には規制があり、NSAは偶然に傍受した合衆国市民の氏名を報告書から消すために多大な努力を払っているが、同時多発テロ事件以降はFISAにより盗聴活動の是非審査を行なう「外国情報活動監視裁判所」の許可を得ずに数千件の国内盗聴を行なったという。
GCHQも新技術に対応した通信傍受を行っているようである。
またNSAはアメリカサイバー軍を傘下に収めてクラッキングを行ない、冷戦時代に中国とソ連に侵入したU-2偵察機や北朝鮮近海に侵入した情報収集艦のように情報を盗みに行くことも考えており、既に世界中で6万1000件のクラッキングを実行しているという内部告発もある。
まとめ

まさか諜報機関の連合があったなんて。
驚きですよね。^^;
漫画の中から飛び出してきたような組織です。
CIAにMI6、各国の諜報機関が協力し合って、今こうしてる間にも映画のような活動が行われてる。
想像しただけでもワクワクするものがあります。w
さて、第二次大戦時のドイツの台頭。
冷戦時代、アメリカを始めとした各国がしのぎを削ってきたことがわかります。
諜報の歴史は戦争の歴史でもある。
勿論、当時は現代のようにインターネットなんてなかった時代。
そのバリエーション、やり方も実に多彩。
逆にその対応について、攻守共に四苦八苦していたに違いありません。
そういった意味では、むしろ現代は退化してるといえるのかも知れません。
なんでもかんでもネットで数珠繋ぎになってしまってる時代ですから。
情報管理を徹底するという意味ではアナログに勝るものはありません。w
そんなこんなで、ご紹介してきたUKUSA協定ことファイブ・アイズですが、先述したように日本も加わるようイギリスが促しているのだとか。
これについては当時の防衛大臣、河野太郎氏も前向きな姿勢を打ち出してます。
かつてのソ連に替わって現代は中国という大国が幅を利かせ始めてます。
ハニートラップに産業スパイ、政府中枢を狙ったハッキング。
今やありとあらゆる場所に彼らの罠が仕掛けられてるといっても過言ではない。
それらに対抗すべく協定を結んだ国同士、情報交換を活発化させることによって、より高度な防衛を図ることができる。
そんな一見、いいことずくめにも思えるファイブ・アイズですが、日本には参加できない、ある壁があるんですね。
スパイ防止法。
それがないことによって、いまいち積極的になれないという現実があります。
そう、まずは国内の法整備が急務なんですね。
そのことについて、どう捕らえるべきか。向き合うべきか。
日本には善くも悪くも個人の人権について重きを置く風習があります。
もはや美徳とさえいる。
なので、個人の情報の取り扱い方についても同じことが言えます。
それだけに同法についての風当たりも強い。
(一部、日本人以外の勢力も混じってるようですが。^^;)
まあ、なんだかんだ言ってきましたが。w
結局のところ諸刃で、それを扱う者、扱い方によっては吉とも出るし凶とも出る。
道具とはそういうものです。
それが便利であればあるほど。
情報も然り。
なので一概に良い面ばかりとも言えない。
だって、結局のところ国防という大義名分でもって、我々国民の通話やメールを堂々と覗き見できてしまえるわけですから。w
なかには悪用しようとする輩だって出てくる。
もっと酷い場合には、それすら敵国に悪用されてしまう可能性も考えられるわけで。
どちらにせよ今より窮屈な生活を強いられる可能性が高いといえます。
しかし、さりとて国家の安全には替えられない。
そのことについて良しとするか否か。
今後、わたしたち国民に突きつけられた課題といえるのではないでしょうか?
あなたはどう感じましたか?^^
参考文献:Wikipedia
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