【ネタバレ注意】懲役警察 B Side Diary『堕天使のプレリュード』あとがき
- 2024.12.25
- あとがき

どうも、さかいです!
『堕天使のプレリュード』楽しんでいただけましたでしょうか?^^
というわけで、あとがきです。
ネタバレ注意です。w
まだ本作を未読な方は是非ともブラウザバックをお願いいたします。^^;
あとがき
本作はこれまであまり言及してこなかった香澄の過去のストーリー。
とはいうものの、どこまでが真実でどこまでが虚構なのか。
それについては終盤、しっかりと茶を濁してありますが。w
しかしながら限りなく真実に近い虚構なのではないかと。
そう著者としては解釈しております。^^
少なくとも名無しの男(ジョン・ドゥ)は存在しているし祐介の祖父、志来祐蔵も実在してる。
祐介の母親も実在していたなら父親だって実在してる。
そう、登場人物は確かに存在しながら物語全体はまさに夢の国。

そんな事情も相まって物語のモチーフはズバリ『不思議な○のアリス』というわけ。w
そのため一部の登場人物たちもディーにダム、マッドハッターにチェシャ、キャタピラー、マーチ・ヘアー、ヘッズマンなどと明らかにそれを連想させる名前になってます。
そんな流れで立ち位置的には勿論、アリスは香澄で白ウサギは祐介です。w

個人的に一番、気に入ってるのは、やっぱり香澄と祐介の出会いのシーンですかね。
あのシーンは思いついたとき確かな手応えを感じたというか。
してやったりといった感触でした。w
あの二人にとって、これ以上の出会い方って無いんじゃないかと。
あの場面を描きたいがために本作の執筆に至ったといっても過言ではない。w
元々、出会った当初、香澄と祐介は敵対していたという構想というかイメージは昔からあったので、それをようやく今回、形にできたのはよかったと思います。
まあ、まだまだこれからも、あの二人に至っては今後、敵同士として絡むストーリーがあるのかもですが。w
時系列的には本編に行き着くまで16年という月日があるので。w
今後、機会があれば、ある程度、大人になったふたりのお話も書けたらなあと思ってます。^^

二番目に印象に残ってるのはパレードの中、トランプの兵隊たちをかいくぐって手を取り合って逃げ回るシーンでしょうか。
あのシーンは映画『ローマの休日』のワンシーンを思い浮かべながら描いてました。
なんか記憶が薄いのですが、確かグレゴリー・ペックとオードリー・ヘップバーンが追っ手と乱闘を繰り広げる?みたいな場面があったような。w
まあ、つたなく表現力に乏しい文章なので読者の皆様にどこまで伝わっているか自信ないんですけど。^^;
同時にこれまで仏頂面で表情に乏しかった香澄も丁度、あのシーンを境に変わっていくターニングポイントであったりもします。
なんだかんだ文句は言いながらも、きっと本人としては祐介少年に振り回されるのが楽しかったんじゃないでしょうか。
殺し屋という職業柄、大人として立ち回らなくてはならないし環境もそれを許さない。
でも、ようやく等身大の自分を解放できる。
唯一、普通の子供として気を許せた瞬間だったんじゃないでしょうか。
そして暗殺対象だったはずの少年に恋をしていく。
あれ? 案外、コイツいい奴じゃん。みたいな。
無論、本人にその自覚はないわけですが。(笑)
まあ、初恋なんてそんなものじゃないですかね-。知らんけど。w
で、結局、ふたりは最後まで名前を互いに名乗ることも知ることもなかったわけですが。
結局のところ互いの存在に気づき合っているのかどうか。
それについては想像にといったところでしょうか。w
あのときの少女が香澄であることは祐介は気づいているのかもだし気づいていないかもしれない。
逆に少年が祐介だということに香澄は気づいていないのかもだし気づいているのかもしれない。
でも唯一、確かなのは、あのとき二人の間には少なからず感情的交差あったということ。
それが幻想であれ真実であれ。
暗殺対象だったはずの少年を始末しにいったはずが逆に恋をして戻ってきた香澄の挙動をみれば明らかですよね。w
しまいにゃジョンに追求されるのを覚悟というか。
プロの殺し屋としてのプライドを犠牲にしてまで庇ってしまう程、祐介少年に心惹かれるようになってしまったのだから面白いですよね。^^
どこか後ろ暗くて親代わりであるジョンに顔向けできなくて。
これって誰でも経験するというか。
そのことについてジョンも見て見ぬふりをする。
香澄を追求することなく少年の命を見過ごしたのは、もしかするとジョンなりに今後の展開を予測してのことだったのかもしれません。
例の銃について妙に詳しかったのも気になる点です。w
ちなみにふたりが初めてキスをしたのは実在する場所、サンフランシスコ市内にある十字架をモチーフにしてます。w

十字架というのが珍しかったしお似合いというか。
今後、波乱が待ち受けているであろう二人の運命を象徴している場所ともいえます。
最初の段階では伝説の樹とかそういうのを考えてたんですけどね。^^;
それだとあまりにメルヘンというかラブコメというか。
なんだかイメージとかけ離れてしまうので踏み留まりました。w

あとはジャズ好きという香澄の趣味もジョンから受け継いだであろう描写が本作では垣間見ることができます。
子供の頃はジャズ嫌いだったんですね。w
酒も煙草もジョンの受け売り。
本作では、どれだけジョンという師に影響を受けたかを窺い知ることができます。

思い出の音楽に煙草の匂い、酒の味。それに銃。
きっと、それらを身近に感じることで子供の頃、大好きだったジョンに想いを馳せているに違いありません。
ちょっとだけ彼女というキャラクターに寄り添えたような気がします。^^
もっとも本来、香澄の口からリンに向けて回想が語られていくため祐介サイドの事情など知るはずないのですが、それは物語のラスト、祐介がジェイコブに昔話を語っていることで補完されます。
つまり、あの回想は香澄と祐介、両方の視点を掛け合わせての聴き語りだったことが後になってわかるわけです。
さてさて、そんな具合で本作。
著者であるオイラも読んでる気分で楽しめた作品になりました。^^
次々と危険な事件に巻き込まれていくオタクの天才少年と殺し屋の少女。それを取り巻く大人たち。
ありきたりなようでそうじゃない。(笑)
個人的に記憶に残る一作になったことは間違いありません。^^
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