【4コマ懲役警察】第3話「さすがの殺し屋」

4コマ小説

無機質な無線の音。赤と青の回転灯が、夜の街を染めている。

「さすがですね」

志来祐介が口を開く。

「何故、あんな弾一つで彼が殺し屋だと?」

「それより」

ぼそり、霧崎香澄がつぶやく。

「もういいでしょ。しょぼい給料分の仕事はした」

「まだです。殺し屋を捕えたからといって捜査が終わったわけではありません。調書の作成に裁判、刑務所に送り届けるまでが捜査です」

「遠足みたいに言わないで」

「なにか根拠があるんでしょ? ねぇ? 何故、彼が殺し屋だと? 犯人だって分かったんです? 意地悪しないで教えてくださいよ」

「知りたい?」

「ヒント! ヒントだけでも!」

「いいわ」

香澄が大きな溜め息をつく。

「まず、現場に残されてた弾。あの弾は市販品じゃない。ハンドロード。ライフリング痕も特殊だった。ともなれば、銃の候補は自ずと絞れる。扱える人間もね」

「なるほど」

「一番、決定打になったのは」

「決定打になったのは?」

「警備の網をかいくぐって標的を仕留めるまで2分かかってる」

「確かに。驚くほどの早業です。地元警察の警部も舌を巻いてました。こんな鮮やかな殺しの手口は見たことがないって」

「逆よ」

キン。

ライターによって煙草に火が灯される。

「時間がかかりすぎ」

祐介の顔から、笑みが消えた。

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