【辛口映画批評】『マトリックス レザレクションズ』は傑作か駄作か?※ややネタバレあり
- 2022.05.02
- 映画

どうも、さかいです!
今回は映画レビュー。^^
『マトリックス レザレクションズ』です。
一言で本作を言い表すと、
第一作目ほどの衝撃はないけど、しっかりマトリックスしてんじゃん!
といった感じでしょうか。(善くも悪くもね。w)
マトリックスといえば、知る人ぞ知る名作。
数々のSF作品に影響を与えたことは勿論、今日における物理学、量子力学の定義まで変えた作品としても知られ、その功績は計り知れません。
もし本作がなかったら、仮想現実などといった概念も未だ確立されていなかったかも。
(流石に言い過ぎ?w)
同時に本シリーズは日本のアニメーションからも大きく影響を受けており、『攻殻機動隊』をはじめとした作品からもインスピレーションを受けたと原作者であるウォシャウスキー兄弟は公言してます。
さて、そんなマトリックスですが本作の『レザレクションズ』は三作目にあたる『レボリューションズ』が公開された2003年から実に20年ぶりの新作ということになるでしょうか。
果たして面白かったのか?
つまらなかったのか?
その評価はいかに?w
真実の先を 知りたくないか?
未来を選ぶのはあなただ。
【ストーリー】
主演キアヌ・リーブスが人生をかけて挑む、全世界で空前の社会現象を巻き起こした今世紀最大のアクション超大作新章!
目に見えるものが真実とは限らない。真実の先を知る時が来た。さぁ、世界が変わる瞬間に飛び込め。
■仮想世界[マトリックス]とは?
あなたが生きているこの[世界]は、本当に[現実]なのか?
主人公ネオは、現実と思えるような夢を見ていた。
ある日、ネオの前に現れた謎の男・モーフィアスから世界の真実を知らされる。
実は何十億もの人類がAIによって栽培されていて、現実だと信じていた世界は、仮想世界[マトリックス]だったのだ。
衝撃の真実を知ったネオは、人類を解放するためにAIとの壮絶な戦いに挑んでいく――。
【ストーリー】
もし世界がまだ仮想世界[マトリックス]に支配されていたとしたら――?
ネオ(キアヌ・リーブス)は、最近自分の生きている世界の違和感に気付き始めていた。
やがて覚醒したネオは、[マトリックス]に囚われているトリニティーを救うため、何十億もの人類を救うため、[マトリックス]との新たな戦いに身を投じていく。
【キャスト】
キアヌ・リーブス、キャリー=アン・モス、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、ジェシカ・ヘンウィック、ニール・パトリック・ハリス、
ジョナサン・グロフ、プリヤンカー・チョープラー、ジェイダ・ピンケット・スミス、クリスティーナ・リッチ
【監督】
ラナ・ウォシャウスキー
引用:Amazon
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評価
ストーリー
★★★☆☆
キャラクター
★★★☆☆
どんでん返し
★★☆☆☆
総合
★★★☆☆
感想
まあ、簡単に結論を述べるなら
『あれ?意外によかったじゃん!面白かったよ!』
というのが率直なところ。
そもそもマトリックスって、こういう話だし、こんなもの。(失礼w)
ストーリーなんてあってないようなものです。
そもそも面白いかどうかという目線で鑑賞すること自体、間違っているのかも。
いかに格好いいアクションが観られるか。
斬新な映像を目の当たりにできるか。
この二点に尽きるのではないかと。
そういった意味では及第点でした。
低評価のレビューをされている方々は、少し過去作品に対して過大評価しすぎているというか思い出補正がかかっているのではないかと。
意外にも、きちんとマトリックスしてましたよ、はい。
普通、20年も時間を隔てていたら少しはぶれるというか作品は劣化。
少なくとも過去作と比べて雰囲気や世界観は違ってくる。
役者が歳を重ねるのは仕方がないにしても根っこの部分が駄目になるパターンが多いです。
ターミネーターやインディジョーンズとか、もうね。^^;
全体的にみて決して前作を超えているわけではないけど、そのまま当時のクオリティーを維持しているのは凄いこと。
まあ、長所はここまでとしておきましょうか。(笑)
当然、少し目に付くというか短所もありました。
何でしょう、作品の至るところに監督のウォシャウスキーの私情というか理念というか雑念というか。
そういうのが見え隠れしてました。
ある程度、キャリアを重ねて好き放題やれるようになったのでしょう。
あるいは誰も意見できる側近がいなくなったか。
※実際、会社に対して不満を言ったり皮肉るシーンも劇中では見られました。(笑)
実はこの監督さん、最近、性転換されたようで。
現在はウォシャウスキー姉さんということになるようです。
所謂、ジェンダーさん(?)ということのようです。
そのためか随所に女性的な表現(?)が散見されます。
言うまでもなく本作はSFに当たるジャンルなわけですが、そこに織り交ぜてヒロインであるトリニティーとのラブロマンスにやたら持っていこうとする。
この風潮は二作目の『リローデット』から見られましたが。。。
劇中では終始、“トリニティー”、“トリニティー”です。
視聴者側は皆、そんなにトリニティーのことが気になってるんでしょうか?w
感情移入してるんでしょうか?
ネオとのラブロマンスの行く末に目を奪われているんでしょうか?
違うと思います。(キッパリ)
特に今回、登場するトリニティーは既に老婆……ゲフンゲフン。いや、結構よいお歳。
男女のイチャイチャを観ていて、わりかしキツいものがありました。^^;
何でしょう、この流れ。
別に見たくもないシーンを無理矢理、見せられているような。
SWでの悪夢が蘇ります。
やっぱ若くて美しい女性あってのラブシーンですよ、ええ。
こんなの一部のマニアを除いて誰も喜びません。
(あくまで感情論なので率直な意見を述べさせていただきますが)
確かにトリニティーは魅力的なキャラクターですよ。
それについて異論はありません。
記念すべき第一作の頃は、それはもう素敵でした。
『避けてみな』
のシーンには痺れましたよ。
しかしですよ?
残念ながら今回、さかいはその域まで達することできませんでした。^^;
その辺りが作り手の思惑が少し空回ってるというか焦点がズレているというか、視聴者側との乖離があるというか。
作品のテーマがボヤけてみえる一つの要因なのかも知れません。
要はトリニティーというヒロインに依存しすぎなんですね。
物語の全体重が彼女に乗っかってる。(トリニティー7割 × SF3割?)
そのせいで逆に本来、持ち味であるはずのSFの部分が小さくなってしまってるし薄味になってしまってる。
制作側が考えているほどトリニティーの危機に対して、こちらはドキドキもしないしハラハラもしない。
(これって自分だけ??)
でも、作品の中の登場人物たち(特にネオ)は終始『トリニティーガー』です。
とはいえ、やっぱヒロインの救出劇は物語の醍醐味。
でなければ盛り上がらない。
トリニティーにスポットを当てるなら当てるでいいですよ。
それについての反論は全然ありません。w
でも、それならもっと彼女というキャラクター像を魅力的に描いて欲しかったし、そうすべきだった。
命を賭けて救う価値のある女性として表現して欲しかった。
それでこその一体感ではないですか。
客席と登場人物との融合ではないですか。
そこに失敗してしまえば瞬く間に客は置いてけぼりになる。
そう、目的意識の欠落。
『この人たちは何でこんなに必死なの?』
ってなっちゃう。
最悪、
『何のために戦ってるの?』
とも。
まあ、そこは作り手として非常に難しいところではあるのでしょうけどね。^^;
それだけ観る側の感情を揺さぶるのは困難な作業とも言えるわけで。
果たして制作サイドはラブロマンスを描きたかったのか、それともSFを描きたかったのか。
物語的には正直、どっちつかずで中途半端な印象が拭えないです。
まあ、この辺りは今作にはじまったことではないのですが。^^;
しかし先述した通り、本作の神髄はそんなところにはありません。w
そう、ストーリーなんてあってないようなものなんです。(笑)
というわけで、
今作は一種のPVだと思って観るのが正解!w
あと細かい点を言えばネオの風貌でしょうか。
これが鑑賞中、気になって気になって仕方がなかった。
で、あんたは何でロン毛の髭面なん?w
この疑問が終始、拭えませんでした。
もっと昔のイメージに近づける努力をして欲しかったです。
あの短髪スッキリフェイスだった頃のネオを返してくれ。
あのナリでは、その辺のヒッピーかジョン・ウィックが電脳世界に飛び込んできたようにしか見えない。(笑)
サングラスを頑なにラストまでかけなかったのも不満です。
マトリックスといったらサングラスでしょうがあ~!(怒)
マジ、制作側はわかってないわぁ。
だから視聴者側と乖離してると言われる。(さかいが勝手に言ってるだけだけどもw)
そういうところですよ!?w
この二点をクリアしていたら、もっとさかいの評価は高かったです。w
この映画からCGとイメージを取ったら何が残るんじゃい!?(笑)
あと、これは仕方のないことだけども、モーフィアス役のローレンス・フィッシュバーンが降板してしまったこと。
この点が悔やまれますかね。
多分、契約面だったり大人の事情なのかなーと推察。(ジョン・ウィックの最新作には出てたくせにw)
無理矢理、二代目(?)を登場させるも正直、肩すかし。
つか、このオッサン誰?w
何となく雰囲気や顔立ちは似ているけど何かが違う。(そりゃ本人じゃないしね。^^;)
ちょっと存在感が小っちゃくなっちゃったというか小物になってしまった。(長州力⇒長州小力?)
威厳を失ってしまったみたいな。
あの圧倒的ボス感が損なわれてしまった。(確か二作目じゃ敵に捕まって白目むいてたけどもw)
ぶっちゃけ、キャストを変えてまでモーフィアス登場させる必要あったの?
という感じでした。
さて、そんな本作の総評ですが、
続編としての体は、しっかりと成しておりました。
とはいえ『同窓会』と評す方々の気持ちもわかります。w
しかし、さかい個人的には十分に有終の美を飾ったのではないかと。(本当にラストなんだよね?w)
色々と不満は述べましたが、それも愛あるが故。(笑)
三作目の結末が納得いかなかった自分としては満足な出来映えでした。
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オススメする人
まず、過去作のファンなら本作は必見でしょう。
しっかりとストーリーも繋がってます。
やや今更感と蛇足感は否めませんが(笑)さかいと同じく前作のラストに不満があった方は鑑賞して損はない。
その後のネオとトリニティー、ザイオンがどうなったのかも描かれてます。(できれば、もっと早くやって欲しかったけど。^^;)
一部の俳優が降板してたり交代していたり、年齢を重ねていたりと、まあ、キャストの問題もあるにはありますが(笑)それらをクリアできるなら十分に鑑賞に耐え得る内容になってます。
ただ、そういった事情もあってか、前作ほどアクションにキレがなかったり(?)期待しているようなシーンがなかったり、映像的に特に斬新さがなかったり。
まあ、やや見劣りする点はあります。^^;
しかし、それらを差し引いても本作は正当な続編であり、良い意味でも悪い意味でも、それ以上でもそれ以下でもない。
決して別の何かの作品に成り代わっているということはありません。
とはいえ、先述したように随所に多少の変化は感じられるため、前シリーズのイメージがあまりにも強い方、思い入れのある方は鑑賞を控えた方がいいかも知れません。
あと、一部、過激な描写があるので、小さなお子様との鑑賞はお勧めしません。

さてさて、いかがだったでしょうか?
過去の名作のリメイクや続編が特に目立つ昨今。
きっと監督ないし原作者は終わらせたかったのに会社から無理矢理、続編の制作を急かされているんだろうなーと。^^;
そういった大人の事情が見え隠れしてしまうのは、なんとも残念な気持ちになります。
過去における大作の続編が蛇足や駄作になりがちなのは、そういった側面もあるのかも知れません。
(それだけ一つの作品を作り上げるのって熱量がいるだろうし、多分、モチベだって必要)
恐らくは、そんな背景があるであろう本作ですが(知らんけどw)その中では十分に健闘した方なのではないかと。
先述したとおりマトリックスといえば今日におけるSF作品に多大なる影響を与えた作品。
金字塔といっても過言ではありません。
今作を鑑賞する前に前作を改めて観直すというのも面白いかも知れません。
いかがでしょうか?
あの頃の衝撃を今度の週末に!^^
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