【映画レビュー】ここが変だよ!?『パワーレンジャー』3つの理由(ネタバレ注意よ)
- 2020.03.30
- 映画

USA! USA! どうも、さかいです。(笑)
さてさて、今回ご紹介する映画は『パワーレンジャー』!
ご存知、日本の戦隊シリーズをリメイクしたハリウッド版でございます。
数多ある映画の中で何故、今パワーレンジャーなのか? w
それはね、たまたま目についたからです。
そう、Amazonプライムでね!w
そんなわけで、このUSA版パワーレンジャー。評価はというと
★★☆☆☆
といったところでしょうか。
どんな人に向いてる?
- 日本の戦隊ものが好き
- エックスメンやスパイダーマンなんかのアメコミヒーローが好き
- 子供向け映画に抵抗がない
- 細かな突っ込みどころなんて気にしない!
良かった点
- 登場人物たちが10代のため彼らの青春模様が楽しめる
- キャラクターたちの背景やバックボーンが比較的よく描けてる
- 冒頭の掴みはOK。世襲ものや世代交代ものが好きな人は引きつけられる
- 変身後のデザインは秀作
- アクションは一見の価値あり
- 巨大メカたちのCGは及第点
- ヒロインは可愛い
登場人物たちが10代のため彼らの青春模様が楽しめる

ある意味、本作は学園ものとでもいうのでしょうか。
古くはビバリーヒルズ青春白書のような彼らレンジャーたちの10代ならではの苦悩や悩み、葛藤なんかが実によく描かれています。
同時に映画『ET』や『グーニーズ』のような、子供の頃、誰しもが体験したであろう何処かワクワクするような冒険や探検、皆にバレないよう隠れて秘密を共有する少年少女たちの青臭い青春模様が楽しめます。
もしも退屈な学園生活の中で正義のヒーローになれたら?
そんな子供の頃、誰しもが抱いた憧れや願望を割と(?)等身大で表現できていたのではないでしょうか。
これって今までありそうでなかったヒーロー像だと思います。
キャラクターたちの背景やバックボーンが比較的よく描けてる
レッドやブルー、それにイエロー。
本作は当然、5人のヒーローチームがメインとして登場し活躍するわけですが、彼とて普段はひとりの人間。
単にヒーローとしてではなく、悩める10代の若者として各々が各々の家庭環境や問題を抱えながら生きてます。
特に彼らは何かしらの問題児として扱われており、はみ出し者が通う専門の学校に通わせられてる身。
視聴者とて同じで、これまで何も問題なく順風満帆に生きてきた人間などいないわけで、皆、登場人物の誰かに何かしらの共感または感情移入をできるよう、よく考慮されていたと思います。
冒頭の掴みはOK。世襲ものや世代交代ものが好きな人は引きつけられる
本作のオリジナルにあたる日本版『パワーレンジャー』について筆者は未見なのですが、そちらの方も同じ冒頭なんでしょうかね?
特にドラクエ5みたいな世代交代ものが好きな筆者に至っては最初の掴みは抜群でした。
だって、先代?のレッドとイエローが敵にやられてしまってから始まるんですから。(笑)
そして次の世代へと変身セットならぬバトンを渡す。これって何とも胸熱な展開じゃぁありませんか。(笑)
『新しい時代を作るのは老人ではない!』的な?w

※某赤い人が言ってた名言です。(爆)
この辺りって、ちょっと仮面ライダークウガの展開にも似てますよね。
変身後のデザインは秀作

スーツのデザインは少しアイアンマンを意識したテイストになっているのでしょうかね?(何かマスクもパックリと開いて本人の顔がコンニチワになるしw)

オリジナル版のパワーレンジャーとハリウッドのアメコミヒーローが上手く融合した形になっているのではないでしょうか。
シルエットが少しごついかなとも思いましたが、まあ、お国柄を考えればこんなもんでしょう。(笑)
※バットマンといいスーパーマンといい何故かあっちの人はムキムキのマッチョヒーローがお好きなようですし。(笑)
個人的にマスクに人間の口みたいのがついてるのは、あまり好きではないのですが、日本の戦隊ヒーローたちを振り返ってみても前例がないわけではないので、これを許せる人もいるにはいるのでしょう。
アクションは一見の価値あり
売りでもあるアクションについては、さすがは腐ってもハリウッド仕込みとといったろころでしょうか。(笑)
世界のハリウッド様は子供向けの映画とはいえ手を抜きません。お金もかけます。(笑)
その精神を体現したかのように、アクションにいたっては一際輝いておりました。
変身後、岩の塊みたいな(?)戦闘員たち相手に華麗な舞いならぬ殺陣を存分にレンジャーたちは披露してくれました。
唯一、少し時間が短かったのが不満ではあるのですが、まあ、動きについてはよかったですね。
特に安っぽさもチープさも感じず、CGも素晴らしい出来ではありました。
もし、次回作があるなら、この点をもっと長くしていただけたら、きっと神映画になるのではないでしょうか。
巨大メカたちのCGは及第点
巨大ロボに至っては、マイケル・マン監督の『トランスフォーマー』を彷彿とさせるデザインだと感じました。
個人的にはアクションや動きもトランスフォーマーに引けをとってない印象を持ちました。
ただまあ、都合上、無理矢理に登場させた感は強く、そのため活動時間も極端に短かったです。(爆)
オリジナルである日本版の戦隊ヒーローの方でも、筆者は巨大ロボはいらんだろ説を長く唱え続けているほどのアンチロボ主義者なので、この辺のパートは不要かなと思いました。
それよりも個人的にはレンジャーたちの活躍にもっと尺を割いて欲しかったです。w
ヒロインは可愛い
ここ一番、重要なポイントです。テストに出ます。(笑)

ヒロインの可愛くない映画なんて、ティッシュを掴りしめたままセンズリポイントを過ぎて終わってしまったAVと同じくらい虚しいものです。
そんなものは時間の無駄。観る価値すらない。
まあ、その点については本作は割とクリアしていたのではないかと。
学園一の美少女(という設定?)がピンクレンジャーに変身するわけですが、一見、ヒロインは森泉にも似た風貌で(森泉が美女かどうかは、この際、置いておいて(笑))周りに大した美人がいないためか、彼女は異様に目立っていた気がします。
思うんですけど、その人が美人かどうかの基準っていうのは、周りや取り巻きたちのレベルにも比例してるとこありますよね。^^;
でも、何でしょ。
変身後にマスクから顔だけコンニチワするのですが、この時だけは妙に不細工に見えてしまって。w

やっぱ髪型って大事なんだなって痛感しました。(笑)
悪かった点
- なかなか変身しない
- アクションシーンが非常に少なめ
- 日常パートと戦闘シーンのバランスが悪い
- 巨大ロボの合体シーンがまさかの省略!?
- 敵役が信じられないくらいショボい
- 人種の扱いにやや問題あり?
なかなか変身しない
これって変身後の活躍を楽しみにしていた人にとっては致命的?
というより人によっては絶望してしまうかも知れません。
だって全110分のうち90分は変身しないんですから。(爆)
ここまでくると、いったい何の映画なのかと。
いったい我々は何を見せられているのかとさえ視聴者たちは思い始めます。
それまで延々と彼らの日常パートや、味方側の変なロボットとの変な掛け合いが続きます。
まあ、それはそれで楽しむことはできたのですが、やっぱりタイトルが『パワーレンジャー』と謳ってる以上、ヒーローたちの活躍をメインにして欲しかった感は否めません。^^;
アクションシーンが非常に少なめ
はい、変身後のシーンが少なければ自ずとアクションも少なめになってきます。
当然の流れです。w
これについては、やっぱり勿体ないし残念に感じました。
だって、ラストに至っては、あれだけのCGを駆使しての迫力あるシーンが作れたのですから。
まあ、それだけに予算の削減が目的で、こういった構成になってしまったのかも知れませんが。^^;
日常パートと戦闘シーンのバランスが悪い
既に前述したように変身前のパートは素晴らしい出来でした。
各キャラクターの性格や、それを印象づけるだけのエピソードなんかが多分に用意されていて、気づいた頃には彼らに親近感さえ覚える自分がいました。
それに引き替え、変身後の密度の低さよ。(笑)
そのため前半中半、後半とでは全く違う映画へと変貌を遂げます。
前半中半では日常パート(まあ、中半ではSF要素も出始めましたが)が多かったため目が慣れておらず、後半に入って怒濤の(というより急に?w)ヒーローものへと変化するため、その落差が激しいです。
道端でキャッチボールをしていたら、急に舞台がメジャーリーグに移ったみたいな。(爆)
ヒーローものにするならする。人間ドラマにするなら人間ドラマにするで、構成やバランスをもっと練った方がよかったかも知れません。
巨大ロボの合体シーンがまさかの省略!?
そう、これは一番言いたかった。w
巨大メカ単体はよく描けていたと思うんですよ。細かなディテールまで。
※ちなみに巨大メカたちは恐竜がモチーフになっているので、Tレックスや鳥形なんかの形態が存在してます。
なので、当然、巨大メカたちの合体シーンにも期待するというもので。
これって花形というか、見せ場のひとつじゃないですか。
各々ばらばらだったパーツがひとつの巨大メカに集結して強大な悪を討つ!みたいなね。
しかし、本作においては予算の都合なのか、制作者側が単に面倒臭かったのか(笑)残念なことに合体シーンは一切描写されることなく。
あろうことか、突如、取って付けたかのように道端に沸いて出てきたマグマの中に単体メカたちが放り込まれてしまい、そのピンチの中で奇跡的にメカたちが合体をして難を逃れたという設定。
あるのは合体後、姿を現した巨大ロボの操縦席でブルーレンジャーの『凄い! 合体したんだ!』だけの観客に向けての謎の解説のみ。
『は!?』
(゜Д゜)
きっと、映画を観にきた観客たちは、こんな顔になっていたに違いありません。
筆者もそうでした。(笑)
だって合体描写なんて一切なく、気づけば突然、巨大ロボが降って沸いてきたんですから。

これは幾ら何でも。^^;
尺と予算が足りなかったからといって、これでは合体シーンに期待していた大人や子供たちもガッカリです。
敵役が信じられないくらいショボい
こういったヒーローもの。勧善懲悪ものに至っては悪役って非常に重要なポジションなわけです。
バットマンならジョーカー。スパイダーマンならグリーンゴブリンやベノムといった具合に名作には名悪役がつきものです。もはや必要不可欠な存在といっても過言ではない。
この手の映画では悪役こそが命といってもいいでしょう。
そういった意味では、このパワーレンジャーは、まあ、酷い。(笑)
何すか、あのアマゾネス感漂うオバハンは。(爆)

まるで全盛期のジュリア・ロバーツを劣化させたかのような。
日本のヒーローものの女性幹部を意識したんでしょうか。(素顔丸出しで中途半端にコスチュームだけ色っぽいw)
そんな彼女以外に敵役は登場しません。一切。延々、出てくるのは、たた弱々しい岩みたいな戦闘員のみです。
そのオバハン1人を5人がかりで挑んでいくのですから、何とも滑稽な絵面ではありました。^^;
人種の扱いにやや問題あり?
鑑賞中、筆者は特に感じなかったのですが、レビューの中にこういった意見があったので、そうかなあ・・とは思いました。
レンジャーには多種多様な人種が入り交じってます。
レッドは白人系、ブルーは黒人系、ブラックはアジア系、イエローとピンクはブラジルかスパニッシュ系(?)なのでしょうかね。
その中で黒人系はいじめらっれ子ポジション、アジア系はお調子者で金に強欲? みたいなキャラ設定がなされてます。例によって白人はリーダーといった具合です。(笑)
まあ、印象に残るキャラ設定は重要であり、個性を作る上で欠かせない行程だとは思うのですが、これってアメリカ人が思い描いてる世界の人種のイメージが投影されているんでしょうか?

こういったプロパガンダは既に見慣れたものだし、白人がリーダーというのは毎度のことなので、今更、特に気にする必要もないとは思うんですがね。(だってアメリカ映画だし。それでアジア人が主役じゃ返っておかしいし。^^;)
もしかすると気になる人は気になるかも知れません。
ここが変だよポイント【その1】
『今日から君たちがパワーレンジャーだ!』
そんなふうに突然、言われて受け入れられる人が果たして何人いるんでしょうか?(笑)
しかし、彼らは割と簡単に、この事実を受け入れます。
無論、最初は『信じられない』や『何かの冗談だろ?』的な意見が飛び交いますが、比較的、早い段階で彼らは自分がパワーレンジャーであることを自覚します。
『街に危険が迫っておるのじゃあああ』

的な司令官(?)のオッサンの一言で。
まあね、早いうちに気がつかないと尺が足りなくなるのは分かります。
いつまでも『本当に俺たちがヒーロー?』なんて疑ってたら、話が一向に進みませんから。
だだしかし、何のために命を賭して戦うのか。
どれだけ立ち向かうべき悪が強大なのか。
そういった目的意識というか説得力みたいのが、もう少しだけ欲しかったかなとは思いました。
ここが変だよポイント【その2】
この映画では変身するまで、ある程度の修行が必要で、それが彼らレンジャーにとってひとつのターニングポイントになってます。
なので中半までは、まったく変身することはできず。
そのため、突如として襲ってきた敵役のジュリア・ロバーツ(?)にも歯が立たずに惨敗してしまいます。

挙げ句、港で船に縛りつけられてしまい全員が捕まってしまう始末。
こうなってしまうとジュリア・ロバーツの天下です。

まさに、危うし!パワーレンジャー!といったシーンです。
手も足も出ないレンジャーたち相手にジュリア・ロバーツによるお仕置きタイムの始まり始まりです。(ピンクとイエローらヒロインのエッチな拷問も期待しましたが、そこは子供向け映画。そんなことには残念ながらなりませんでした。^^;)
しかし、よせばいいのに謎の情け。
ここでレンジャー全員を容赦なく葬っておきさえすれば、あんなことにはならなかったのに目的の情報を聞き出した時点で何故かジュリア・ロバーツは去っていってしまいます。
(まあ、便宜上ブルーだけは殺されてしまったんですけどね。^^;)
無益な殺生はしないということなのでしょうか。
どうにも中途半端な印象が拭えません。(笑)
ここが変だよポイント【その3】
さて、日本の特撮ヒーローものといえば例の採石場。
もはや代名詞といっても過言ではありません。舞台が街中であれ海であれ、気づけばラストのアクションシーンは必ずといっていいほど、あの謎の採石場に飛ばされてしまっているわけですが、その法則はこのハリウッド版でも健在。

というより採石場が、ひとつのキーパーソンにもなっていて彼ら5人が初めて出会ったのもこの採石場でした。
最初は級友でもあるレッドとブルーが、ある目的のため、この採石場に訪れるのですが、その後、続々とピンクにブラック、次にはイエローといった具合に皆が登場し始めます。
ていうか、一度にメンバー会いすぎじゃね?(笑)
いったい皆、こんな採石場で何してんよ?(笑)
などと突っ込みが筆者の中で巻き起こった次第です。
まあ、これについてはパワーレンジャーの源であるクリスタル? に引き寄せられたという解釈もできますが、十代の若者たちが大した目的も意識もなく何故、あんな何もない採石場で一堂に会していたのか。
大いに気になるところではあります。(笑)
さてさて、いかがでしたでしょうか? このパワーレンジャー。
色々と残念な場面も目立つ作品ではありましたが、全体としてのクオリティーとしては決して低くはなく、特撮ファンなら一見の価値ありといった作品になっているかと思います。
よかったら是非、この週末にでも。^^
![]() |
【中古】 劇場版パワーレンジャー(Blu-ray Disc) /ハイム・サバン(原作、プロデューサー),東映(原作),デイカー・モンゴメリー,ナオミ・スコット,RJ・ 【中古】afb 価格:2,838円 |
-
前の記事
【詐欺師ご用達!?】超心理術『プラシーボ効果』って? 2020.03.28
-
次の記事
【追悼】【ドリフ】【だいじょうぶだぁ】志村けんさんについて思うこと 2020.03.31
コメントを書く