【あとがき?】『忘却のハリウッド』に込めた思い ※ネタバレ注意
- 2022.04.22
- あとがき

どうも、さかいです!
さてさて、『忘却のハリウッド』ですが、楽しんでいただけましたでしょうか?^^
犯人は当てられましたか?w
多分、今、本記事を読んでくださってる方は、本作品を既に手にとっていただけたのではないかと勝手に想像しております。(笑)
なので今回は、そのあとがきではないですけど、物語のテーマとか今後の展開なんかについて少し触れていこうかなと。
ネタバレ含む内容になっているので、これから本作品を読もうとしてる方はブラウザバックをお願いします。(笑)
『忘却のハリウッド』におけるテーマ

ラスト近くで、リンの台詞にこういうのがあります。
『古い常識は忘れられていって新しい価値観に変わっていく。善くも悪くも』
特に昨今におけるハリウッドのポリコレ配慮やジェンダー優遇などを肯定するかのような思想を連想させますが、最初に断っておくと、さかい自身は、この考え方が大嫌いです。(笑)
本筋に関係あるならまだしも、せっかく楽しいはずの映画の中に無理矢理ねじ込まれる、この手の思想的描写や表現には正直、ウンザリしてます。
ここで、この表現って必要か!? みたいな。w
チャイナマネー流入による中国万歳!的なプロパガンダも。
古い常識にだって良い物はあるし、淘汰されるべきじゃない物だってある。
何も新しいもの全てがいいものじゃない。
なので、リンとは対極的な思想を持ってる作者ということになります。w
どちらかといえば、さかい本人は香澄やフランク・フォードの側に近い思想の人間です。(笑)
にもかかわらず何故、リンにこんなことを言わせたか?
まず第一にリンなら、さかいの思想に必ずしも同意はしないだろうし、詐欺師から警官に鞍替えした今の自分の立場と重ね合わせてる部分があるから。
第二にリンの言ってることも、ひとつの真理だから。
たとえば戦国時代の常識と現代の令和の常識とでは当然、かけ離れてる。
タイムリーなところで、今のロシアやウクライナ情勢だってそう。
故に捉えようによっては、さかいの考え方は老害(笑)だし既に時代遅れという視点。
(受け入れられない自分がいるけどw)
第三に、さかいは自分の思想を物語の登場人物に無理に言わせたり主張させるのが苦手だから。w
読み手の皆さんに自分の思想を押しつけるのが嫌いなんですね。
これは最悪で説教臭く感じてしまう。
なので基本、さかいの場合は読者さんに判断を委ねるというスタンスを好んで使います。
小説特有の行間と行間を読むというアレです。w
台詞や描写の中に隠された微妙なニュアンスを感じ取って欲しいというか。
読者さんの想像力に任せるというか。
たまに自分の偏った政治的思想を、しれっと自分の作品の中に反映させたりする作者さん(某料理系漫画とかw)もいますが、さかいはそういうのは好みません。
むしろ軽蔑するし一気に引きます。
勿論、ときには強いメッセージを発信することも大切かも知れませんが、それほど自分の考えに酔ってるわけでも自信があるわけでも、ましてや絶対と思ってるわけでもない。
それを口にできるほど自分が偉いとも思ってない。
実生活においても考え方って人それぞれ。
百人居れば百通りの考えがあるし、色々な考え方だってある。
人によって善悪も様々です。
逆を言えば、何ごとにおいても正しい答えなんてものは存在しない。
もし、あるのだとすればそれは自分の心の中にだけ存在する。
だったら物語の中もそれでいいのではないかと。
色々な思想を持ったキャラクターが登場して、読者に対して様々な視点から問題定義する。投げかける。
いくつも散りばめられた選択肢の中から、どの意見が正しいのか。
それは読み手の人が選んで自己で判断すればいい。
一石を投じるじゃないけど、作品という媒体を介して投げかけたテーマについて少しでも考えてもらえるなら、気に留めてもらえるなら。
作品がそこに存在した価値はあっただろうし、冥利に尽きるというもの。
西園寺薫という人物

前ブログでも触れましたが彼のモデルは、ジャスティン・ビーバーとジョニー・デップです。(笑)
女好きで自由奔放。
実にロックな生き方をしてます。w
当然、さかいはセレブでもハリウッドスターでもありませんが、きっとスターになるって、こんな気分なんじゃないかなーって勝手に想像を巡らしながら薫を描きました。
他人より恵まれた容姿に才能、富と名誉。
一見、すべてを手にし、なに不自由なく生きているように見える彼ですが、実は愛情に飢えてる。
とんとん拍子で人生を成功させたように見えるけど、そうじゃない。
本当に欲しい物は手に入れられていない。
その有り余る才能や地位、容姿目当てに近づいてくる女性や権力者たちは数多くいれど、本当の自分を理解し認めてくれる人物には巡り会えてない。
彼は本当の意味で自分を愛してくれる人に出会えたことがなかったんですね。
そこに現れたのが香澄という女性。
出会った瞬間から一目惚れ。
でも、これまで出会ってきた女たちとは何かが違う。
擦り寄ってきた女たちとは違って自分を拒絶する希有な存在。
同時に本当の自分を認めてくれた(少なくとも薫自身はそう思ってる)初めての女性でもある。
これまでの彼の人生を考えれば、熱を上げるのも道理というもの。(笑)
スーパースターとはいえ我々と同じ。
手の届かないものほど欲してしまうんです。w
今後の香澄と薫の関係

『いつか魔法は解けてしまうもの。そんなの子供だって知ってる』
遊園地でのラストで薫は言います。
事実上、二人のシンデレラストーリーが終わりを告げた瞬間です。
『追いかけていくよ、世界中どこにだって』
そんな薫に対して香澄。
『せいぜい頑張れ』
一見、突き放しているようにも見えますが、これってどうなんでしょうかね?w
『西園寺くん』
と香澄が相手を名前で呼ぶのは極めて珍しい。(レギュラー以外で)
異例中の異例と言えます。
普段は『あんた』とか『ねぇ』だけです。
このことから、もしかするとまんざらでもなかったのかも知れません。
※関係ないけど恋愛してるときの、こういう分析ってドキドキして楽しいよね!w
見方によっては『志来くん』と同列に並んだことを意味してるのではないでしょうか?(笑)
強力なライバル登場です!w
今後も薫は準レギュラーとして登場していく予定ですので、二人の関係にも目が離せません!w
※案外、香澄にとって薫が“初めての男”になったりして。
薫に処女を奪われた挙げ句、テクでメロメロにされる香澄とか。
これはこれで見てみたい気も。(笑)
芸能界を背景にしたネタも、この先、香澄に付いて回ります。
作者としても今後の展開の予想がつかないし楽しみです。w
まとめ

先述したように作品内での思想やテーマの捉え方は読者様に委ねるスタンスなので、あまり自分の作品について、あれこれ語るのは好きじゃないんですが今回は見事にやってしまいました。(笑)
それだけ、この『忘却のハリウッド』が思い入れのある作品の一つになったのかも知れません。
一見、殺人事件を主題にした本作だったわけですが、それは仮の姿。
色々な要素を詰め込んでみた挑戦。
意欲作でもあったわけです。
果たして、このことが良かったのかどうか。
評価によっては詰め込みすぎ!
や
寄り道しすぎ!
など、色々なご意見もあるかと思います。(笑)
しかし、それも一興。
だって、物事の善し悪しに答えなんてないんですから。(笑)
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