【パクリ】【パロディ】創作物における模倣の美学

【パクリ】【パロディ】創作物における模倣の美学

皆さんは、パクリの定義って何だと思いますか?

姿形が似ている。造形が似ている。雰囲気が似ている。物語が似ている。人それぞれ感じ方は千差万別だと思います。

では、何がパクリで何がそうでないか?

その境界線は?

今回は、ズバリ、そんなパクリの世界がテーマ。w


パクリと聞くと誰しも真っ先に盗作や贋作なんかを思い浮かべる方もいると思います。

正直、悪いイメージしかないですよね。^^;

しかし待って欲しい。

貴方の周りを見てみてください。現代社会は実にパクリの産物で溢れかえってます。

たとえば、飛行機なんかは鳥の造形を真似てますし、ペンは筆の発展型、windowsはmacのパクりだし、AndroidだってiPhoneOSのパクリです。

ある偉人の言葉にこんなのがあります。

芸術とは盗むことである。

誰だと思います? かの有名なピカソの言葉です。

あまり知られてはいませんが、ピカソはアフリカ彫刻の影響を受けていたと言われています。

言われてみれば何となく似てる気はしますよね。ついでにピカソ本人にも微妙に。(笑)

さて、お次は、この言葉。

何も真似したくないなんて言ってる人間には何も作れない。

サルバドール・ダリの言葉です。そう、あのターンAガンダムみたいな変な髭のオッサンです。(笑)

彼もヒエロニムス・ボッシュという別の画家の影響を受けていたといいます。

あの斬新な画風が、まさか他の画家の模倣だったなんて聞くと、ちょっと衝撃的ですよね。^^;

何となく画家ばかりの紹介になってしまったので、今度はミュージシャンの言葉。w

僕がじっくり鑑賞するのは盗めるところがある作品だけだね。

これは、あのデビッド・ボウイの言葉です。彼のメイクは日本の歌舞伎の隈取りを取り入れたといいます。※ちなみに、故:忌野清志郎さんのメイクにも何となく似てますよね。^^;

いかがでしょうか? 何とこれだけ名を馳せた偉人たちも皆、何処からか何かしらの影響を受けていたというのですから驚きです。

さっき身近にはパクリの産物が溢れかえってると言いましたが、例に挙げると現代における漫画なんかも、そうであると言えるのではないでしょうか。

コマ割りなどの手法や技術に至っては、現在の漫画は全て手塚治虫氏のパクリということになります。

まさにパクリなくして発展あらず!w

そう、今日における我々の文化は、まさに先人たちの編み出した技術やアイデアのパクリの上で成り立っていると言っても過言ではないのです。(笑)


創作物というのは既存の何かを更に良く、改良に改良を重ね、時には何かと組み合わせ、試行錯誤してこそ進化を遂げるもの。その行程なくして発展はないとさえ言えます。

よって今後、新しい作品を生み出したいと考えてるクリエイター諸君は、むしろ、どんどんパクるべきなのです。

しかし、勘違いして欲しくないのは、筆者は何も丸パクリすべきと主張してるわけではありません。(笑)

無論、パクるにしたって工夫は必要です。それと節操も。(笑)

模倣した上で、そこから更に自分なりのオリジナリティを見出す努力や工夫。

そういった試行錯誤は常に必要なのです。それを惜しんではいけません。

よくパクリだ! 猿真似だ! といってネットで叩かれてるのは、そういったプラスアルファの要素が足りないからなのですね。

つまり、オリジナルを越えられていない。オリジナルよりも劣ってる。そう彼らに見なされたため魔女裁判の如く槍玉に挙げられているわけです。

仮に貴方が何かしらの作品を創作したとしましょう。

対象は何でもいいです。漫画でも小説でも。絵とか壺とかでも。(笑)

もし、貴方の作品がオリジナルよりも高く評価されれば、似てるけど面白い! 素晴らしい! とか、こっちの方が全然いい! となるわけです。

そうなった場合は、この時点で貴方の作品がオリジナルに似ていることなど、既に受け手の頭から吹っ飛んでしまってるのですね。

分かりやすいとこで、たとえば有名な北斗の拳なんかはハリウッド映画、マッドマックスのパクリだし(核戦争後の時代背景、ケンシロウの服装、モヒカンのヒャッハーなんかもうね(爆)) スターウォーズなんかも黒澤映画に影響を受けたとジョージ・ルーカスは公言してます。

しかし、誰も彼ら制作者をパクリだと言って責めない。

何故なら作品自体が素晴らしいから。人を魅了し惹きつける力があるから。

公開から既に十数年は経過しようとしているのに、彼らの作品が未だ多くの人たちの心を掴んで離さないからに他なりません。

世のクリエイターと呼ばれる人たちは、皆、誰かの、そして何かしらのファンなんです。だからこそ、その人の背中を追いかけ、あるいはその作品に憧れて物作りを目指す。

よりよい作品を生み出そうと日々、試行錯誤しながら。

なので、何かに影響を受けて、似てしまうのは道理であると共に至って自然な流れと言えるのですね。

ちなみに著者なんかも小説を執筆する際、他の作品の影響を受けまくりです。^^;

パクること自体は悪くない。しかしパクリ方には工夫が必要。大切なのは自分なりのオリジナリティを持つこと。

そうやって文化は発展し、わたしたちの心や生活を豊かにしてくれていってるのではないでしょうか。^^

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