【小説マメ】そもそもハードボイルド小説って何?

【小説マメ】そもそもハードボイルド小説って何?

どうも、さかいです。^^

今回のテーマは小説。

その中でもハードボイルド小説にスポットを当てて、ご紹介していこうと思います。^^

わたくし自身、一応、おこがましくもハードボイルド作家(?)を名乗らせていただき、活動させていただいているわけですが、実際のところ、その起源や意味についてあまり考えたことはなく。^^;

そこんとこを、今回は少しだけ深く掘り下げていこうかと思います。(笑)

そもそもハードボイルドの定義とは?

ハードボイルドの語源が、軍の鬼教官の白いカラーを『固ゆで卵(ハードボイルドエッグ)』の堅い白身にたとえたという説は根強いのですが、小説家アーネスト・ヘミングウェイの文体が起源という諸説もあります。

ヘミングウェイ独特の短い文章を、ある評論家が『激しく(hard)沸き立つ(boild)湯の泡』にたとえたことから、感情を交えない簡潔な文体で語られる物語をこう呼称するようになったというものです。

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時代が移り変わり、現在はヒーロー像や舞台背景など、それらしい要素や雰囲気を持つものが『ハードボイルド』であると、考えられているようです。w

もっとも、厳密に言えば、『ハードボイルド』とは、ミステリに限定されるものでも、小説特有のものでもなく、ひょっとするとジャンルでさえないのかも知れません。

『ハードボイルド・タッチ』とは要するに『それらしさ』とも言えるわけですね。

ほいじゃ、結局、『ハードボイルド』らしさとは何なのか。

例を挙げてみましょう。

主人公は私立探偵で、権力に与せず暴力にも屈しない。

それ故、孤立しているが、それも苦にしない。

自分のモラルと美学を持ってる。

お~とこには~あ、自分の世界がある~♪ というアレですね。(笑)

舞台は主に大都会(ニューヨークとかの摩天楼がよく似合うw)で、事件の発端は行方不明者捜しだったり、ありがちな揉めごとの処理だったり。

現実に起きそうな事件を、現実的な方法で調査していく過程で、主人公は様々な人々に出会う。

次第に自分の調べている事件が、考えているよりも重大であることに気がついていく……。

あくまでも、これはほんの一例です。^^

本格ミステリ小説は『ルール』が重視されますが、ハードボイルド・ミステリは『演出』、ひいては『空気感』が重視されるわけですね。^^

ヒーローの台詞=ジャズのアドリブ?

ハードボイルド・ミステリの空気を演出する、もっとも重要な要素のひとつが、主人公と登場人物らの間で交わされる『会話』であり『台詞』になってきます。

胸に思いを秘めたまま、ときには追い詰めた犯人に、ときには恋した女に、あるいは去って行く親友に向けて、静かにつぶやく主人公の台詞は、別に本筋に関係なくとも、各シーンで光を放ち、そして輝き、読者の心に残ります。

それは、あたかもジャズのアドリブのワンフレーズのよう。

『OK、テリー。ギムレットには早すぎる』フィリップ・マーロウ

『俺は探偵だ。すべてを見通している』コンチネンタル・オプ

ハードボイルドで描かれる『街』

ヒーローを『汚れた街を歩く孤高の騎士』とたとえるように、ハードボイルド・ミステリは、また街を描く物語でもあります。

『汚れた街』といっても、必ずしも犯罪や不正が横行する暗黒街というわけではありません。

表の顔もあれば裏の顔もある現実の街です。

ニューヨーク
ロサンゼルス
サンフランシスコ

さてさて、いかがでしたでしょうか。^^

普段、なにげなく『ハードボイルドだねー』なんて口にしたりすることもありますが、それについては大した定義はなく、主に空気感や雰囲気を表すだなんて少し意外でしたね。(というより案外、適当w)^^;

でも、男子たるもの一度や二度、ハードボイルドな生き方には憧れを持ったりするもの。

自分の生き方や人生を背中で語れるような男になりたいものです。(笑)

※参考文献『ゲームシナリオのためのミステリ事典』

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