【ややネタバレあり】映画『プラットフォーム』を観た感想、評価、レビュー

【ややネタバレあり】映画『プラットフォーム』を観た感想、評価、レビュー

どうも、さかいです!

今回も引き続き、映画レビュー。^^

映画『プラットフォーム』です。

はい、来ました!

さかいの大好物、所謂、密室系ホラー!

いやあ、こういうの好きなんですよねぇ~。^^

ある日、意味の分からない部屋に閉じ込められて、そこからジタバタする話。

ミステリアスでスリリングでワクワクして。

オチが読めなくって。

ではでは、早速、評価も交えつつ感想なんかを述べていきたいと思います。^^

評価

ストーリー

★★☆☆☆

キャラクター

★★★★☆

どんでん返し

★★☆☆☆

総合

★★★☆☆

あらすじ

その“穴”は世界を変える。

ある日、ゴレンは目が覚めると「48」階層にいた。

部屋の真ん中に穴があいた階層が遥か下の方にまで伸びる塔のような建物の中、上の階層から順に食事が”プラットフォーム”と呼ばれる巨大な台座に乗って運ばれてくる。

上からの残飯だが、ここでの食事はそこから摂るしかないのだ。

同じ階層にいた、この建物のベテランの老人・トリマカシからここでのルールを聞かされる…1ヶ月後、ゴレンが目を覚ますと、そこは「171」階層で、ベッドに縛り付けられて身動きが取れなくなっていた!

果たして、彼は生きてここから出られるのか! ?

引用:Amazon

感想

世界観やコンセプトから真っ先に思い浮かんだのは名作『CUBE』

結構、同じふうに感じた方、多かったんじゃないでしょうか。

『CUBE』 といえば、当時、超低予算映画として制作され、にも関わらず異例の大ヒットを記録。

これまでにない斬新な“密室系ホラー”というジャンルを初めて確立し、後に続く『SAW』を始めとした数多くの派生作品の礎を築いたことでも知られています。

そんな今となっては星の数ほど生み出され、量産に量産された“密室系ホラー”ですが、数十年経った現在でもオリジナルである『CUBE』のクオリティーを今ひとつ超えられていないのも事実。

(所詮は二番煎じ?)

本作もまさにそれ。

面白いアイデア思いついちゃった!と脚本に取りかかったのはいいが、そのアイデアを活かしきれず迷走。

挙げ句、方向性を途中で間違えちゃったみたいなノリの典型。

見切り発車感がハンパない。

視聴者側の視点から言わせてもらうなら、野球だと思って観戦していたら途中でサッカーが始まってしまったみたいな。w

作品を通してなにを描きたいのか。

どんなメッセージを伝えたいのか。

それらを最後まで、ぶれずに一貫することが重要。

本作はそれを強く教えてくれている気がします。

同じようなジャンルの映画に一石を投じるべく、新しい要素を加えたつもりが、気づいたら蛇足になってしまっていた。

そんな映画。

創作に携わってる立場の人間からしてみれば、良い意味でも悪い意味でも反面教師になるのではないでしょうか。^^;

(自分も気をつけなくっちゃ 汗)

それと失敗してしまった感の否めない理由がもうひとつ。

社会的風刺が効きすぎてるし、宗教色が色濃く出過ぎてしまっている。

強すぎるプロパガンダは作品としてのエンタメ性を削ぎ落としてしまう。

ということなのでしょう。

押しつがましい主張は、ついつい拒否してしまうのが人間。

観ている側の価値観が合わなければ一気にしらけてしまうわけですね。

『こいつはいったい何を言ってるんだ?』といった具合に。(笑)

まるで相性の悪い人と人との関係みたい。

多分、作品のテーマとしては貧しい人と豊かな人。

発展途上国と先進国の現状を代理として描きたかったんだろうと推察しますが、そういったテーマが全面に出過ぎてしまっていて、やや前のめりに。

結果、大変、説教臭い作品になってしまった。

それらの帳尻を慌てて合わせようとでもしたのかラストも、あんなパッとしないオチに。(泣)

これは勿体ないです。

アイデア自体は、なかなか面白かったのに。

主人公がどのようにしてサバイバルしていくか。

どんな手段を使って巧みな脱出を試みるか。

人間が窮地に追い込まれたとき、どのように変貌を遂げていくか。

そういった変化を視聴者は期待していたと思うし、制作側はそれらに応え、もっと主軸にして描くべきでした。

寄り道せずにね。

と、まあ、色々と言ってしまいましたが、アイデアや展開そのものは斬新と言えば斬新。

見所は多かったです。

引き込まれるシーンは随所に散りばめられていたし、最後まで飽きずに鑑賞することができました。

ぶっちゃけ、こういった所謂、B級(?)的な扱いの作品は、開始10分程度で眠たくなってくる作品が多いので、これはこれで貴重です。w

命の駆け引きの場面は確かに緊張感がありましたし、人間の醜さについては十分すぎるほど考えさせられました。(妙にリアルな描写だったし)

途中、今、自分の置かれてる状況に感謝したくらい。^^;

それだけでも一見の価値はあるのではないでしょうか。

オススメする人

まず、グロ描写、カニバリズム的表現に抵抗のある人は避けた方がよいでしょう。^^;

確実にトラウマになります。(ならないかも知れないけどw)

途中、わたし自身も何度か気分が悪くなりかけた場面がありました。(苦笑)

逆にグロ耐性のある人、むしろそれらが大好物な人は一度、観てみてもよいのではないでしょうか。

前述したように極限状態に陥った際の人間の醜さ、人肉を食してでも生き残ろうとする生存本能。

そういった描写がリアルすぎるほど表現されております。

それら強烈な表現がスパイスとなっていて善くも悪くも脳裏に焼き付く。

まるで目を背けてはいけないような現実のように思えてくるから、アラ、不思議。

もし、今、自分の置かれている立場が彼らと同じだったら?

明日、事故や戦争なんかに巻き込まれて、似たような境遇に放り出されたら?

そのとき、彼らのような行動を取らない自信は?

保証は?

自分は人間としての理性をどこまで維持できるのか?

きっと、あなたも考えさせられるはず。

さてさて、いかがだったでしょうか?

ついつい辛口気味になってしまった本作ですが、なんだかんだ近頃、強烈な映画に飢えてる方、強いメッセージ性のある映画を楽しみたい方には特にオススメの作品です。

この週末にでも。^^