【辛口映画レビュー】映画『355』を観た感想 ※ややネタバレあり
- 2022.09.25
- 映画

どうも、さかいです!
今回は久しぶりの映画レビュー。^^
映画『355』です。
本作は、あの『ボーン』シリーズを手がけたスタッフらが再集結した意欲作。
女性版『007』とも呼べるスパイ巨編となっております。
さてさて、そんな本作。
果たして面白かったのか、面白くなかったのか?
その評価は如何に?
評価
ストーリー
★★★☆☆
キャラクター
★★★☆☆
アクション
★★★★☆
どんでん返し
★★★☆☆
総合
★★★☆☆
敵の敵は味方
輝かしい受賞歴とカリスマ性を兼ね備えた女優5人が豪華共演。
各国の女性エージェントが集結! !
国際テロ組織から秘密兵器を奪還せよ! 危険なミッションに挑むスパイアクション。
■5ヵ国から集結したスゴ腕の女性エージェント・チームが、世界秩序を脅かす巨大な危機に立ち向かうスパイ・アクション!
『ヘルプ ~心がつなぐストーリー』『ゼロ・ダーク・サーティ』で米アカデミー賞助演女優賞に2度ノミネートされ、『インターステラ-』『女神の見えざる手』といった数々の話題作で圧倒的な演技力を披露してきたジェシカ・チャステイン。
現代のハリウッドを代表する実力派女優の発案によって、このうえなく刺激的で魅惑的なプロジェクトが実現した。それはアメリカ、ヨーロッパ、南米、アジアから集結した5人の女性エージェントが手を組み、第三次世界大戦を誘発しかねない巨大な危機に立ち向かっていくスパイ・アクション。
パリ、モロッコ、上海をノンストップで駆けめぐる壮大なストーリー展開、チャステインを始めとする豪華女優陣が体当たりで挑んだチェイス&バトル・シーンなど、すべてが“ガチ”の迫力とスリルに満ちあふれたエンターテインメント大作、それが『355』である。
■輝かしい受賞歴とカリスマ性を兼ね備えた女優5人が豪華共演
パリ、モロッコ、上海を駆けめぐる壮大な秘密兵器の争奪戦!
『ミッション:インポッシブル』『007』シリーズのような本格派のスパイ・アクションを、オール女性キャストで作りたい。
そんなジェシカ・チャステインのアイデアに賛同し、いずれ劣らぬ輝かしいキャリアを持つ女優たちが結集した。
『それでも恋するバルセロナ』でアカデミー賞助演女優賞を受賞したスペインの国民的女優ペネロペ・クルス、『女は二度決断する』でカンヌ国際映画祭女優賞に輝いたドイツ出身のダイアン・クルーガー、『それでも夜は明ける』でアカデミー賞助演女優賞を獲得し、『ブラック・パンサー』『アス』も記憶に新しいアフリカ系の演技派ルピタ・ニョンゴ、『X-MEN:フューチャー&パスト』のブリンク役でハリウッドでも存在感を示した中国のトップ女優ファン・ビンビン。
実力とカリスマ性を兼ね備えた主演級のスター5人が、時にライバル同士のエージェントとして火花を散らし、世界秩序を守るためのミッションを通して共闘関係を結んでいく姿に目を奪われずにいられない。
監督、製作を務めるのは『X-MEN』『デッドプール』シリーズのプロデューサーを務め、『X-MEN:ダーク・フェニックス』で監督デビューを飾ったサイモン・キンバーグ。
『ボヘミアン・ラプソディ』のリチャード・ヒューイット(製作総指揮)、『ダンケルク』のリー・スミス(編集)、『ハクソー・リッジ』のジョン・ギルバート(編集)、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『デッドプール』のジャンキー・XL(音楽)などの一流スタッフが顔を揃えた。
さらに、マーベル・シネマティック・ユニバースのウィンター・ソルジャー/バッキー・バーンズ役でおなじみのセバスチャン・スタン、『カルロス』『ジャングル・クルーズ』のエドガー・ラミレスが、物語の重要なキーマンを演じているのも見逃せない。
※“355″:18世紀アメリカの独立戦争時代に実在した女性スパイのコードネーム
ストーリー
格闘術のスキルが高いCIAのメイス、過去にトラウマを抱えるBND/ドイツ連邦情報局のマリー、最先端のコンピューター・スペシャリストでMI6のハディージャ、コロンビアの諜報組織に所属の優秀な心理学者グラシー、中国政府で働くリン・ミーシェン。
あらゆるセキュリティをくぐり抜け、世界中のインフラや金融システムなどを攻撃可能なデジタル・デバイスが南米で開発され、その途方もなく危険なテクノロジーが闇マーケットに流出しようとしているのだ。この非常事態に対処するため、各国から5人の女性エージェントが集結、ライバル同士からチームとなりコードネーム「355」を結成する。
それぞれの才能を駆使して、世界をカオスに陥れるテクノロジーデバイスを利用しようとする国際テロ組織に立ち向かっていく。果たして第三次世界大戦を阻止することはできるのかー。
●キャスト
ジェシカ・チャステイン(佐古真弓)
ペネロペ・クルス(本田貴子)
ファン・ビンビン(たなか久美)
ダイアン・クルーガー(湯屋敦子)
ルピタ・ニョンゴ(杉本ゆう)
with エドガー・ラミレス(関口雄吾)
and セバスチャン・スタン(白石充)
引用:Amazon
感想
総評としては悪くはなかったです。w
流石はボーンシリーズを生み出したスタッフといったところ。
計算し尽くされたアクションに展開。
なかなかに魅せてくれます。
終始、安心して観賞できました。
でも、本当にそれだけ。(笑)
その場限りの痛快さ。
見終わったあとには何も残りません。
なんなら三日もすれば内容なんて吹っ飛んでしまうことでしょう。
でも、強いて言うなら
『こうして普通に生活している人たちは、裏側で世界の危機があったことなんて知る由もない』
(だったかな???w)という台詞だけは印象的でした。
でも、それでいいんだと思います。
そもそも王道アクションとはそういうもの。(これアクション映画の括りでいいんだよね??w)
内容なんてあって無いようなもの。(内容だけに。w)
では、まず良かった点をば。
やはり豪華なキャスト!
この一言に尽きるのではないでしょうか。
『ヘルプ ~心がつなぐストーリー』『ゼロ・ダーク・サーティ』で米アカデミー賞助演女優賞に2度ノミネートされ、『インターステラ-』『女神の見えざる手』のジェシカ・チャステイン。
『それでも恋するバルセロナ』のペネロペ・クルス、『女は二度決断する』のダイアン・クルーガー、『ブラック・パンサー』のルピタ・ニョンゴ、『X-MEN:フューチャー&パスト』のファン・ビンビン。(ビンビンってスゲー名前だなw)
個人的にはペネロペ・クルスを久しぶりに見られたのが感慨深かったですね。
やっぱり彼女、群を抜いて美しかったし年齢の割に見た目も変わっておらず。
いい意味で度肝を抜かれました。
あとは大迫力のアクション。
特にガンアクションは冴え渡ってました。
やっぱ、この制作チーム、スパイアクション作らせたらピカイチ!
並々ならぬ熱量というか拘りというか。
カメラアングルなんかも最高で、その辺りの流れは見事、かの名作ボーンシリーズを継承しておりました。
展開やテンポもよく、終始、観客を飽きさせない工夫がなされていたように思います。
というわけで、ここからは悪かった点。
既に前述したように本作。
5人の美女たちが登場し縦横無尽に大活躍するわけですが、そのことが仇になっていて互いが互いに自己主張が強すぎる。
要は存在感を打ち消し合ってて喧嘩しちゃってるんですね。^^;
皆、自分が自分がってなっちゃってる。w
これって過去、オーシャンズ、エクスペンダブルズシリーズなんかにも見られた傾向。
この理由のせいか。
オーシャンズもエクスペンダブルズも個人的には全然、楽しめなかった思い出が。^^;
単なる同窓会映画とでもいうのか。
悪い意味で濃すぎるんですよね。^^;
そのせいでストーリーが全然、入ってこないんですわ。(笑)
そもそも、これだけ屈強なキャストなんだし端っから負ける気がしないというね。(笑)
危機感を感じない=ワクワクしない。
と、まあ、こういう構図なんだと思います。
更に2時間という制約も映画にはあって、キャラクターたち全員の背景を掘り下げるには5人という数字はあまりに多すぎる。
実際、複数人(4人以上)を主人公化した映画で成功した例って、あまりないのではないでしょうか?(ゴーストバスターズくらい?)
なので受け手側に感情移入させるためには、相応の技量が必要になるわけで。
残念ながら本作は、その技量は満たしていなかったのではないかと思われます。
もっと言えば主人公を5人に設定した時点で(しかも皆、豪華w)制作側自らがハードルを上げてしまった。
やっぱりスパイ映画は一人にスポットを当てるに限る。
007やソルトなんか然り。
ミッション・インポッシブルなんか実質、トム・クルーズ主演みたいなもんだし。
物語の背景となる理由もチープ。
この手のスパイ映画って最後に行きつく先は割と決まっていて、核ミサイル発射や第三次大戦の阻止、テロ組織の壊滅なわけなんですけど、本作もその例には漏れず。
冷戦終結以来、最大のライバルを失ってしまった米国には既に敵として描ける大国が存在しないため、どうしてもこういった表現になってしまうことは否めません。
(実際にはC国とかなんだろうけども大人の事情によって、そのあたりは明確には描けない。だってお財布と首根っこ掴まれちゃってるしw)
んなわけで、本作は第三次大戦の阻止という括りになるわけですが、なんでも世界中のありとあらゆるインフラをハッキングし操作できるデバイスとやらの争奪戦に端を発します。
まあ、これもアルアルですよね。
少し安っぽいというか。
既に使い古されてカビの生えてしまった設定でもあります。
劇中では、このデバイスひとつで運行中の旅客機が墜落させられてしまったり、街中が停電になってしまったりと、まあ、凄まじいまでの万能ぶり。
実際に存在したら恐ろしいことになるのはわかるんですけど、ちょっとリアリティーに欠けるというか漫画っぽいというか。
(それを言ったら、この映画自体が漫画っぽいわけなんですけど。^^;)
これは、ちょっと創作に携わる身としてはタブーな話なんですけど(笑)
実は航空機をはじめ原発や電力会社、軍事や政府関連施設なんかの社会的インフラに繋がるシステムはネットには繋がってません。^^;
なので外部からハッキングで乗っ取るといった行為は現実的には不可能だったりします。w
内側からならワンチャンあるかもですけど。笑
このことを知ってるか知っていないかによっても、賛否は分かれるかも知れません。
なので、この設定を活かすのだとすれば、
ある特定の条件を満たすことによって、○○施設の○○というシステムを乗っ取ることの出来る特別なデバイス!
みたいにピンポイント化すれば、まだ説得力があったのではないでしょうか?
自分ならそうします。w
要は背景となる設定が雑だし、大味すぎたんだと思います。
この辺りの設定を許容できるかどうかは、これまでどれだけの作品に触れあってきたか。
どんなスパイ映画を鑑賞してきたか。
どの程度、目が肥えているかによって評価が分かれる部分だと思います。
自分の場合は一頻りスパイ映画というスパイ映画は鑑賞しておりますので、それが物足りなく感じてしまったひとつの要因だったのではないかと推察します。
それと本作最大の特徴とも呼べる多国籍スパイという設定。
これが十分に活かし切れてなかった。
これは実に勿体ない。
この設定を前面に押し出すのであれば、もっと各々の国の特徴を主張するべきだし差別化すべきだった。
でなければ、この設定である必要性が感じられない。
このことから、ただ美人なだけの女性版戦隊モノに成り下がってしまっていた。
唯一、ハッカー役のMI6だけが浮き立っていただけで、その他は単なる戦闘要員。
正直、どれも同じような役どころになっていた感が拭えませんでした。
で、最後は極めつけ。
トドメをさされたのは、ある最悪な要素を作中にぶっ込んできたこと。
これにより一気にマイナス評価。
今まで、それなりに楽しめていたわけですが、この要素によって萎えてしまい、だだ下がりになってしまいました。
リモコンの電源ボタンにも一瞬、手がかかりかけました。
その最悪な要素というのは。
ま~た、C国資本かよ。。。
正直、辟易としてるんですよね。
最近、あまりにも多くないですか?このパターン。
物語は後半に入り、いよいよ佳境。
主人公たちが危機に陥った、まさにそのとき!
といったタイミングで、正義のヒーロー気取り。
必ずといっていい程、あの国の人たちが登場!
我がもの顔で幅を利かせ始めるんですよね。。。
実に美味しいところを持っていきなさる。
グランドイリュージョン2なんかのときも、これと全くといっていいくらい同じ展開でウンザリした記憶が。
これも時代なんですかね。。
まあ、この手のプロパガンダはアメリカも大概だし十八番なんですけどね。^^;
もうね、いい加減、やめてもらいたいものです。
せっかくの娯楽作品なのに政治的プロパガンダを無理矢理ねじ込んできて。
それなりに説得力があったり、ストーリー上のバランスが取れていれば別に文句はないんだけど、いくらなんでも無理矢理感が否めないし、如何せん偏りが度を過ぎている。
なんでしょ、観てる人たちに
『自分たちの国は常に正しいし慈愛に満ちた国アルよ』
とでも宣伝したいのでしょうか。
そんな感じで、個人的にはゴリ押し(洗脳?)されているような気がして終始、受け付けませんでした。
そういった背景がどうしても見え隠れしてしまい、積み上げてきた評価の全てが台無し。
とても残念な印象に。
この時点で総評★ひとつマイナス!(本来なら★★★★でした)
オススメする人
スパイ映画というと比較的、難解な作品が多いように感じますが、この作品に至っては、その点の心配はないでしょう。
なので、頭を空っぽにして作品を楽しみたい方。
ボーンシリーズが好きな方。
純粋なアクションを堪能したい方には大変、オススメです!
スパイファミリーを始めとした日本のアニメや漫画好きな方にも合うかも知れません。
逆に本格派スパイ映画が好きな方。
某国による政治的プロパガンダが鼻につくという方には不向きな作品といえるでしょう。

さてさて、いかがだったでしょうか?
なんだかんだディスってしまいましたが(笑)本作が大衆受けする娯楽作品であることに疑いようはありません。
なにか面白い映画はないかなーと思ってる、そこのあなた。
どうでしょう? この週末にでも。^^
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